医療法人を設立する際にかかった費用等に使った多額の借入金等の債務に関しまして、その全てが新設の医療法人に引き継ぐことが出来れば良いのですが、実際にはそうではありません。

引き継げる債務引き継げない債務がございます。

その二つの債務を以下にまとめましたので確認してみましょう。

【引き継げる債務】

医療法人の設立時に拠出される設備投資等に関する負債(拠出財産の取得そのものに使用した資金)。
例えば:医療法人を設立する際に拠出された不動産や施設設備の「購入資金」や施設の工事費に使用した借入金などです。

不動産の場合、東京都の場合には、拠出する不動産と借入金の関連性を明らかにする書類を医療法人設立認可の申請の際に提出します。
提出書類の例を以下にまとめましたので、ご参照ください。

① 設立時の負債内訳書

② 負債残高証明及び債務引継承諾書

③ 借入金残高証明書

【引き継げない債務】

医療法人の運転資金や消耗品などの購入に関する負債。
一般的には、運転資金としての開業医時代の借入金は、新設の医療法人に引き継ぐことが出来ないといわれております。

ただし、法的な根拠があるわけではなく、各都道府県の担当によっても解釈の範囲が異なり、引き継ぐことが出来るケースもございますので、確認は必要になる点といえるでしょう。

都道府県の担当者に確認をして、引き継げなかった場合には、個人が引き続き返済しなければなりません。

このような場合には、借入金返済相当額を役員報酬に上乗せする方法が一般的といえます。

しかし、金融機関によっては、今までのように分割の返済が認められず、一括の返済を要求されることもありえます。

また、医療法人化に際し引き継ぐことが出来なかった借入金の支払利息は、必要経費になりません。

多額の借入金の場合には、資金繰りが厳しくなることもありえます。

 

医療法人化をお考えになる際には、医療法人設立前後の金銭的なシミュレーションを綿密に行った上で、医療法人の申請をしましょう。