医療法人を設立するにあたっては、開設時及び開設後に長く安定的に運営していくために、必要な財産を備えて置かなければなりません。

財産の中でも不動産は、医療法人の病院・診療所の基盤となるものです。

自己所有が基本ですが、賃借も可能です。

医療法人の不動産について、以下のように注意点などまとめてみましたので、ご確認下さい。

【開設する病院・診療所の不動産】

医療法人が開設する病院・診療所の不動産は、医療法人の自己所有が望ましいとされてはいますが、賃借も可能です。

ただし、賃借の場合には、賃貸借契約書(契約締結前であれば賃貸承認書又は契約書案など)において、次の①か②を明記しなければなりません。

① 契約期間の更新が円滑に行われる内容であること
② 長期間の契約(10年以上)であること

さらに、不動産を賃借する際に注意する点もございます。以下のようにまとめてみました。

① 医療法人の役員や関連企業・団体などから不動産を賃借する場合には、賃借料の算定根拠を示さなければなりません。
※過大な賃借料を支払っている場合には、医療法人の剰余金の配当に該当する恐れがあるためです。② 医療法人の役員の住居などが病院・診療所と同一または併設された建物の場合には、法人が賃借するのは、開設する病院・診療所の不動産だけということ賃貸借契約書に明記しなければなりません。
※これもまた、医療法人が役員の住居部分まで含んで賃借し賃借料を支出することは、医療法人の剰余金の配当に該当する恐れがあるためです。

つぎに、賃貸借ではなく、不動産を医療法人の自己所有とすると際の注意する点をご説明します。以下のようにまとめてみました。

① 医療法人設立時の不動産の取得方法が、売買又は出資による場合には、不動産鑑定評価書の額をもって売買価格又は出資額とします。設立後に医療法人が不動産を買い取る場合も同様です。

② 医療法人が不動産を取得する際に、医療法人以外の第三者(法人の役員も含みます)が債務者となって根抵当、抵当が設定(登記)されている場合には、必ずその債権債務の整理をしてから、医療法人は不動産を買い取らなければなりません。

※適正な価格を明らかに上回る価格で医療法人が買い取れば、医療法人の剰余金の配当に該当する恐れがあるためです。

③ 医療法人が、理事長から不動産を買い取る売買契約の場合には、理事長は法人の代表権をもつことができないので、特別代理人を選任する必要があります。

 

以上のように、医療法人の不動産については、所有するにせよ賃借するにせよ注意が必要です。