【一人医師医療法人】

一人医師医療法人は、原則として5名以上の社員から構成されます。社員は株式会社で言えば株主にあたります。
医療法人の社員は、現在のところ利益配当を受けることが出来ません。
ただ、解散ないし脱退時には残余(持分割合の)財産の分配を受けることが可能です。

株券にあたる出資証券は発行されませんが、贈与や譲渡は原則的に自由です。
ただし、財産的な権利の譲渡などは自由ですが、社員となるには社員総会での承認が必要となります。

【社員総会】

社員総会は、一人医師医療法人の最高の意思決定機関で、株主会社の株主総会と同じ機能を持っており、役員を選任し、経営の基本方針などの重要項目を決定します。

また、以下の事項は、社員総会の議決を必要とします。

  1. 定款の変更
  2. 予算、決算、剰余金(または損失金)の処理
  3. 社員の入社及び除名
  4. 解散
  5. 他の医療法人との合併
  6. その他重要事項の決定

社員総会は通常、予算と決算承認で年2回開催されます。
また、役員の任期が2年となっていますので2年ごとに改選を行います。
株主総会と大きく異なるのは、選挙や決議について、出資額の多寡にかかわらず、1社員1票となっていることです。
ですので、社員を新たに加入させる時には、注意が必要です。

【理事会】

理事会は理事によって構成されますが、より具体的に業務の執行の内容を決定します。
理事会は決算、予算および理事長選任のためなど、随時開催されます。
理事は社員総会で選任され、理事会のメンバーとして経営に参画しますが、経理担当理事などとして日常の業務に携わることが出来ます。
理事は理事長を含め、原則的に3名以上必要です。
開設する診療所が1か所で、知事の認可を得れば2名でも可能です。
理事長は、理事会によって理事の中より選任されますが、理事長は一人医師医療法人を代表し、その業務を実際に行います。

【監事】

監事は社員総会で選任され、会計と理事(長)の業務を監査します。一人医師医療法人といえども、実際には、理事長は個人診療所の院長と同様の仕事を引き続き行えばよく、特に改めて、行うことはありません。
ただ、理事会や社員総会を開催した場合には、議事録等の書面を作成しなければなりません。

以上、一人医師医療法人の機関やその権限についての解説です。