医療法人を設立した後も諸手続きがございます。

その中で、毎会計年度終了後に行わなければならない二つの手続きについてご説明いたします。

一つが、毎会計年度終了後、定められた期間内に所管の官庁に対して行う事業報告書等の届け出です。

もう一つが、資産総額の変更登記です。

それでは、この二つの手続きがどのような手続きなのか、以下にまとめましたのでみていきましょう。

【事業報告書等の届け出】

まずは、事業報告書等について説明いたします。

医療法では、医療法人が作成しなければならない会計に関する以下の書類の総称を「事業報告書等」としています。

① 事業報告書
② 財産目録
③ 貸借対照表
④ 損益計算書
⑤ 関係事業者との取引の状況に関する報告書
⑥ その他厚生労働省令で定める書類(純資産変動計算書、附属明細書など)

それでは、これらの事業報告書等をいつまでに揃え、また、いつまでに承認や届出を完了しなければならないのか、一連の流れを次のようにまとめましたので、確認してみましょう。

① 事業報告書等の作成
会計年度終了後2ヶ月以内に事業報告書等の作成をしなければなりません。

② 公認会計士等による監査(特定の場合)
※特定の場合とは、次のa~cのいずれかに該当するケースです。

a 負債の総額が50億円以上または事業収益が70億円以上の医療法人
b 負債の総額が20億円以上または事業収益が10億円以上の社会医療法人
c 社会医療法人債発行法人である社会医療法人

③ 監事による監査
④ 理事会の承認
公認会計士等や監事による監査を受けた事業報告書等や監査報告書について、理事会の承認を受けなければなりません。⑤ 事業報告書等の備付
社員総会の1週間前から、公認会計士等や監事の監査を受けた事業報告書等や監査報告書をその主たる事務所に備え置かなければなりません。
⑥ 社員総会
招集の通知は、社員総会の日の少なくとも5日前までに行わなければなりません。
社員総会には、理事会の承認を受けた事業報告書等を提出しなければなりません。
この提出した事業報告書のうち、貸借対照表と損益計算書ついては、社員総会の承認を受けなければなりません。

⑦ 所管の官庁への届出
会計年度終了後3ヶ月以内に事業報告書等や監査報告書を添付書類を所管の官庁に届け出ます。

【資産総額の変更登記】

医療法人は、毎会計年度終了後3か月以内に、資産の総額(純資産額)を登記しなければなりません。

この登記を行った後は、所管の官庁に「登記事項変更完了届」を届け出ます。

以上のように、毎会計年度終了後に行わなければならない手続きは、事業報告書等の届け出だけではありません。

毎年、資産総額の変更登記を行い、登記事項変更完了届の届け出も行わなければなりません。

また、毎会計年度終了後から所管の官庁への事業報告書等や登記事項変更完了届の提出までは、3か月以内と短期間です。

毎年、細心の注意を払いながら、計画的に手続きを進めていきしょう。