現在、新たに医療法人を設立しますと、全ての法人が出資持分のない医療法人となってしまいます。

この出資持分のない医療法人の活動のもととなる資金の調達手段として、定款の定めるところにより、基金制度を採用することができます。

この基金制度を採用した医療法人のことを、正式に法律で定められた名称ではありませんが、基金拠出型医療法人と呼ぶことがあります。
※なお、社会医療法人や特定医療法人は基金制度を用いることはできません。

ですので、基金拠出型医療法人が、社会医療法人の認定又は特定医療法人の承認を受けようとする場合には、基金に拠出した方に拠出した額を限度として返還し、定款から基金に関する定めを削除することが必要となります。

拠出した方に変換する際には、返還金に関して利息を付けて返還することはできません。

また、基金に拠出した社員の方が退社したときや医療法人が解散したときは、定款の定めによるところに従い利息を付けて返還はしないので、医療法人設立時に拠出した額を限度として返還することになります。

拠出した額が限度ですので、法人の留保された利益である剰余金の部分は拠出者には返還されません。

基金拠出型医療法人を設立するには、定款で定めるとともに、次の事項も合わせて定めなければなりません。

① 基金に拠出した方の権利に関すること
例としては、次のような内容を書くと良いでしょう。

・当該医療法人が基金に拠出した方に対して負っている拠出額の返還義務

② 基金の返還の手続きに関すること
こちらも例を挙げますと、次のような内容を書くと良いでしょう。

・基金の返還方法
・返還する基金に相当する金額を、代替基金として計上など会計上のこと。

以上、基金拠出型医療法人に関する説明です。

医療法人を設立する際の資金確保の選択肢の一つとして、考えてみるのも良いかと思います。