医療法人を設立して、その後事務所を移転することとなった場合には、何か手続きが必要なのでしょうか?

医療法人の事務所は定款に定められておりますので、移転するためには定款変更が必要となります。

また、一般的に定款変更は社員総会の決議事項となっていますので、社員総会にて事務所移転に伴う定款変更の決議を行います。

社員総会の決議の後に、事務所移転に伴う手続を行うこととなりますが、この際事務所の移転先によって手続きの流れが変わります。

【1:移転滝が現在の事務所所在地と異なる都道府県の場合】

定款を変更する場合には、監督官庁からの認可を受けなければなりません。

流れは以下の通りとなります。

① 事前調整(医療法人を監督する都道府県(又は地方厚生局)の担当部署)

※この際に必要となる書類を提示してもらいます。

    ② 定款変更認可申請(医療法人を監督する都道府県(又は地方厚生局)の担当部署)

    以下の書類を添付して申請します。※都道府県により必要書類が異なる場合がありますので、必ず①の事前調整を経てから申請を行うようにしましょう。

    ア 新旧条文対照表
    イ 変更後の定款(案文)
    ウ 社員総会議事録の写し
    エ 医療法人の概要 など

    認可がおりましたら、医療法人を監督する都道府県(又は地方厚生局)の担当部署に新しい定款を提出します。

    ③ 変更登記(法務局)

    認可がおりましたら、2週間以内に変更登記を行います。

     登記事項変更届(医療法人を監督する都道府県(又は地方厚生局)の担当部署)

    登記完了後、登記事項証明書を添付して、医療法人を監督する都道府県(又は地方厚生局)の担当部署に登記事項の変更届を提出します。

    ⑤ 所轄保健等への届出

    所轄保健所へ登記事項証明書を添付して、開設者の住所(医療法人の事務所)変更に伴う届出を行います。

    保健医療機関の場合には、地方厚生局へ、生活保護法指定医療機関の場合には、福祉事務所などへも必要に応じ届出を行います。

    【2:移転先が現在の事務所所在地と同じ都道府県内の場合】

    通常、定款変更する場合には、【1:移転滝が現在の事務所所在地と異なる都道府県の場合】で述べましたように、監督官庁からの認可を受けなければなりません。

    しかし、変更内容が同じ都道府県内での事務所の移転のみであれば認可は不要です。定款を変更後に届出を行います。※あくまで事務所の移転で、診療所の移転ではありません。診療所の移転の場合には認可は必要です。

    ① 変更登記(法務局)

    移転後2週間以内に変更登記を行います。

    ② 定款変更届(医療法人を監督する都道府県(又は地方厚生局)の担当部署)

    以下の書類を添付して申請します。
    ※都道府県により必要書類が異なる場合がありますので、事前に担当部署に問い合わせてから届出を行うようにしましょう。

    ア 新旧条文対照表
    イ 新しい定款
    ウ 社員総会議事録の写し
    エ 変更後の事務所を登記した登記事項証明書(履歴事項証明書)など

    以上、医療法人の事務所を移転する際の手続きについての解説です。