高齢を理由に医療法人を後継の方に譲りたいとお考えの際に、ご家族やご親戚の方の中に後継者がいらっしゃらないため、このような身内の方以外の第三者の方に医療法人及びその診療所を売却して、法人事業を継続させる方法があります。

これを「第三者承継」といいます。

それでは、この第三者承継について以下で説明いたしますので、確認してみましょう。

 

まず、「親子間承継」と異なり「第三者承継」一番ネックとなるのが、社員・理事・理事長の交代です。

社員・理事・理事長を交代する場合に、特に注意しなければならないの社員の交代です。

この社員の交代の流れを簡単に説明いたしますと、

旧社員が退社届を提出」新社員の入社を社員総会で承認

となります。

特にこの旧社員の退社が重要で、退社にはその旧社員の同意が必要になります。

この同意を得られなければ、事業承継が進み新体制になった後も旧社員が在籍し続けることになります。

これは、在籍し続ける旧社員が社員総会の議決で反対票を投じる可能性があることを意味しています。

ですので、「第三者承継」を決めたら、各社員へ説明を行い早めに退社手続きを進めておくことが肝要です。

 

一方譲受側が注意しなければならないポイント事前の調査・分析です。

第三者承継の場合、親子間承継とは異なり、承継対象である医療法人の経営・財務などの詳細な実態を把握していないことがほとんどです。

親子間の事業承継であれば、何か問題が生じてもその都度話し合い解決できる場合も多いでしょう。

ただ、第三者承継の場合、譲渡側と譲受側は親子間と異なりお互い他人であるので、親子間のような密なコミュニケーションを図ることが出来ず、実際に譲受した後、詳細を知ってトラブルになることもあります。

ですので、事前に詳細に調査や分析を行い、事業承継の可否や承継対価を検討し、その上で譲渡側と交渉し、譲渡条件について合意した段階で、契約書を締結すれば、トラブルを防ぐことにもつながります。

後継の方がいらっしゃらない場合で、円満に第三者承継をとお考えであれば、親子間承継とは異なる特徴や仕組み、注意事項を事前に把握し、なるべく早い段階で準備をしておくことが肝要です。