個人事業主の病院や診療所では、分院を出すことは出来ません。

ですので、分院を開設し、病院や診療所を拡大できるのは、医療法人のメリットと言えるでしょう。

既に医療法人を経営されていて、新たに分院を開設する場合には、一体どういった届出や手続きが必要になるのでしょうか?

まず、医療法人の分院の開設には定款変更が必要です。この定款変更は都道府県知事や大臣の認可を受けなければなりません。

なぜ、都道府県知事と大臣と別れているかと言いますと既にある医療法人と同一都道府県内で分院を開設される場合は「都道府県知事」既にある医療法人とは違う都道府県で分院を開設される場合は「厚生労働大臣」から認可を受けるからです。

担当部署も都道府県知事の認可の場合には、各都道府県の担当部署となります。

厚生労働大臣の認可の場合には、各地方厚生局の担当部署となりますので、注意が必要です。

都道府県によって多少異なりますが、分院開設の大まかな流れは、次のとおりになります。

①各都道府県や各地方厚生局の担当窓口との事前協議
定款変更認可について、事前協議を行います。

②医療法人の定款変更認可の手続き
定款変更案の作成

社員総会を開催して、分院診療所開設および定款変更等を決議

定款変更認可申請
定款変更認可申請の審査(都道府県または厚生局)
定款変更の認可(申請から1か月~3か月程度)
適正な変更と認められれば、認可書が交付されます。
③法人変更登記申請の手続き
2週間以内に変更登記をする必要があります。
法人の変更登記(法務局)
法人変更登記完了
登記事項変更届を都道府県または厚生局の担当窓口(保健所)に届出
④分院診療所の開設の手続き
診療所開設許可申請(保健所)(許可が下りるまでは1か月程度)
診療所開設許可審査
開設許可書交付
開設届(保健所)
※エックス線装置を備え付ける場合は診療用エックス線装置備付届が必要となります。
⑤保険医療機関指定申請等の手続き(厚生局)
 ※この手続きは、同一都道府県内で分院を開設しても、担当部署は各地方厚生局となります。
保険医療機関が厚生労働大臣指定の病院・診療所だからです。

保険医療機関指定申請
 厚生局の指定は毎月初旬にございますので、スムーズに分院を開設する為には前月の初旬のうちに厚生局へ申請を済ませて  おく必要があります。
施設基準届の届け出

⑥その他関係官署等への各種届出、申請の手続き
必要に応じて、税務署・社会保険事務所・労働基準監督署・公共職業安定所に各種届出を行ないます。
⑦医療法人の分院として新たに病院・診療所をスタートできます。

このように、分院の開設もまた、医療法人設立時と同様に多くの手続きを経るため、数カ月を要することになります。

分院を開設するにあたっては、計画的に申請することが必要でしょう。